鉄道研究会のフィールドワークは今回が始めてではなく、過去に何度か開催されましたが、ブログ記事にするタイミングを逃してしまったものがあります。
2014.9.29にも湖南地方を訪れ、鉄道遺産、産業遺産を見学しました。
湖南地方記事のタイミングに合わせて、記憶をたどって記事にすることにします。
湖南市に流れる天井川のひとつ、「大沙川」
旧東海道やJR草津線は天井川の下の隧道を通っています。

隧道の上が大沙川。
現在は殆ど川の水はありません。
新道橋梁から少し先にあるのが「国分橋梁」

ここも、地元の方の生活道路である事がうかがえます。
交通量もそれなりに多く、見学中も何台かの車が通り抜けていきました。

さきほどの新道橋梁よりも、ずっしりとした感じを受けるのはその大きさのせいからでしょうか。



ここには、腰高に見事な装飾。

草に覆われて少し見づらいですが、なにやらマークのようなものが見えます。
こちらは 関西鉄道の社章。
反対側からの方がよく見えるかなぁ。。

社運をかけての工事だったのでしょう。


あまり脚光を浴びる事のない草津線に、鉄道の歴史が隠れています。
貴生川駅から 築堤沿いののどかな道を歩いていると、再び橋梁です。

小ぶりですが、舗装されていない道路には、しっかり轍がついていて、地元の方の生活道路になっている事がうかがえます。

120年以上も前に作られた煉瓦造りの橋梁の上を今も、列車が走る。。
なんと、素晴らしい事なんでしょう。
この周辺の風景は、120年間、きっとあまり変わる事はなかったのだろうと思います。。


アーチ頂点部分の上 横に走る煉瓦模様は、編みこんであるように見えます。
細部にもこだわった装飾が施され、当時の思い入れが大きかった事を物語っています。
貴生川駅から、次の橋梁へと向かいます。

停車中のバスにまで忍者が描かれていました。

貴生川駅から狸で有名な信楽までは、貴生川駅から信楽高原鉄道で20分程度です。

甲賀、土山はお茶も有名です。
草津線には、1972年(昭和47年)まで蒸気機関車が走っていたようで、全線電化が昭和55年という歴史から、ローカル色が濃いようなイメージがあるのですが、残念ながら駅舎は近年どんどん橋上化され、つい先日も、思い出のある三雲駅も橋上化しました。
貴生川駅と言えば、さらに南に位置しているのですが、信楽高原鉄道、近江鉄道との乗換駅である事からか、1986年に橋上化したそうです。画像検索しても旧駅舎がなかなかヒットしません。やっとみつけた駅舎はやはり瓦屋根の落ち着いた木造駅舎で どうして「そのまま」でなかったかなと。。木造駅舎ファンは残念でなりません。



駅にあった なにやらレトロな車両。
昭和42年製造の車両で、近江鉄道創立120周年記念企画として当時の「赤電」塗装に復刻されました。
近江鉄道では1960年代から1980年代まで走行していたそうです。
これは、一度乗車しないといけません。しばらく近江鉄道に乗ってないので、何か面白いものと組み合わせて出かけましょうか。

近江鉄道とJR草津線。




そこかしこに 忍者。忍者。忍者。
先月28日 「忍びの里 伊賀・甲賀」が 《日本遺産》に、認定されました。
努力の賜でもありましょう。。


綺麗な築堤沿を北へと足を進めます。
昨今は高架線路が大半を占めるようになりましたが、地に足。。地に車輪が着く築堤は、やはり美しく落ち着くものです。

未舗装の道路の先に見える、煉瓦アーチトンネル
「御庄野橋梁」




今から120年も前に、造られ今も現役、その耐久力と技術に感動します。
細かな所にまで、凝った装飾があるのも、当時の心意気の表れでしょう。

この橋梁の上を何本の列車が走ったことでしょう。
何人の人が列車により運ばれたことでしょう。
歴史を目で感じます。
絵馬を見せて頂いた矢川神社さんから、八坂神社さんへ向かう途中。


目に留まるのは当然「JR」のトラック。
甲南駅から約10分で矢川神社に到着。
応接間に通して頂いて、見せて頂いたのは大きな絵馬
今回のフィールドワークのひとつの大きな目的でした。
普段は、近くの八坂神社に保管、非公開という貴重な絵馬。 歴史研究会の会員さんの尽力、神社関係者さんのご厚意により特別に矢川神社さんの方で見せて頂くことができました。

関西鉄道(草津線) 開業直後の明治23年7月に奉納された大型の絵馬。

関西鉄道開業直後の明治23年7月に、絵馬右側に氏名、出身地が描かれている工事関係者によって奉納されたと思われるものです。
「絵馬」と聞いて、合格祈願などのために奉納する小さな絵馬を想像していたのですが、想像以上の大きさに驚きました。
絵馬が奉納され保管されている八坂神社までは、歩いて数分。



神楽殿?の、「八坂神社」の銘の横の額に入れられているのが、先ほどの絵馬の写真です。
ご先祖様から「大切にするように」と言い伝えられてきたそうです。 この地の人々にとって、鉄道が開通したことは大きな喜びであり誇りであったのでしょう。
工事関係者から奉納された絵馬は、現在も「非公開」が守られるほどに大切にされています。
鉄道が大好きな者ばかり。
鳥居の向こう、水田の向こうの線路に、列車が走る姿を見たい。
と、早めのお昼ごはんを境内で頂きながら、列車の通過を待ちました。


タイミングと、アングルがよくうまくいきませんでした。
撮り鉄でない者の弱みでしょう。。

昨日の朝、自然に囲まれたこの辺りを歩いてすっかり魅せられてしまい、二日目は甲南駅から北へ向かい湖南三山へ行く予定を急遽変更。訪れた事のないさらに南へと向かう事にしました。
甲南駅のひとつ南の甲賀駅。この二つ先の柘植駅はもう三重県です。

でも。。あらあら。。駅はすっかり現在風です。
きっと、この町には小さな木造駅舎が似合うはず。
旧駅舎の画像を検索してみると、それはまあまぁ。。お似合いのいい雰囲気の駅舎なんですよ。
でもそれは木造駅舎好きの私の好み。この地の人々には念願の新しい駅舎だったのでしょうね。。


JR東海道本線「草津駅」から「草津線」で24キロ、40分。
草津線の駅舎は軒並新しい駅舎に変わっていますが、甲南駅」は、昭和の時代からかそのままの姿で迎えてくれました。
「仏女ブロガーの旅」集合の12時まで、甲南の町を歩いてみようと、この駅に降り立ちました。


ここで。。。 改札を出ようとすると自動改札がない。。
ん? 草津線って?。。
まさか?とは思いつつICOCAで乗ってきたので駅員さんにデータを取り消して頂いて、現金で精算しました。
ひとつ手前の貴生川駅以東はICQCAエリアからはずれてしまうのだそうです。
高校の時、草津線から通ってきている人がたくさんいましたが「電車ちゃうにゃで~ 汽車やで~」と自ら笑いの種にしていて、みんなで楽しんだものです。
その何年か前までは、蒸気機関車が走っていたそうで、少し「遅れめ」の、のどかさは今も変わっていないよう。。 でも、それが魅力の草津線。それが魅力の湖南。。
「駅から歩こう」。。
旅の一歩を踏み出すのにお似合いの駅舎でした。
神仏います近江麗しの神仏に出会う滋賀の旅滋賀県観光情報
三重県記事の流れで、4月に青春18切符を使って「参宮線」に乗った時の様子をアップしていく事にします。
「柘植駅」
草津駅~柘植駅までの「草津線」は東海道本線が電化の時代にも長い間、気動車が走っていたり、もっと幼い記憶では蒸気機関車が走っていたりと のどかなイメージが強い路線です。
三重方面へ行く時はここで乗換。


三重県内で一番最初に開業された駅です。