
府中駅を出た列車は芦田川沿を北上します。

心地良い電車の揺れに身をまかせながら、車窓に目をやっていると、一人の女性が車掌さんとなにやら会話を始められました。
どうやら、いつもお世話になっているので、何か衣類か座布団のようなものをお礼に渡したいとおっしゃっているようでした。
車掌さん、穏やかな口調でお礼の言葉とともに、そういうわけにはいかないとの旨を伝えられておられました。
ローカル線ならではの、人の温もりです。。




車内にも温かな写真が掲示されていました。
線路を渡ってお嫁入り。 のんびりした時代だった。でも此処は今も、あの頃とそんなに変わらない生活をされているのでしょう。


「備後矢野駅」



にぎやかに装飾された駅♪
地元の方々によるお手入れがされているようです。
「かすりや」さんというおうどん屋さんは現在も営業されていて、お味もとてもいいようで、ん~ こんな駅で降りてみたいなぁ。
このあたり、降りて面白そうな駅舎が続いています。
福山駅7時18分発の福塩線に乗車します。
福塩線は福山市から三次市の塩町というところまでの78.0キロの路線ですが、実際は三つ先の三次駅まで乗り入れています。
瀬戸内海沿岸から、中国地方の山間部を結ぶ路線で、さぞかしローカル色が強いかと思えば、さすが朝の通学時間帯。
のんびりと四人掛けのボックス席に座っていると、どんどん学生さんが乗り込んでこられました。



少し走るとのどかな風景が広がり、山間への列車旅に心が弾んできました。


どこらあたりまで、学生さんの乗降があるのでしょ。 鉄道は学生さんの貴重な足です。



福山駅から45分。府中駅で大半の方々が下車されました。
この先、非電化区間。
列車の中も、突然人が少なくなり、のんびりムードです。

福山駅前。思っていたよりも、かなりの都会でした。
車も人も多く、飲食店も、デパートも、公共施設もありました。
広島にも近く、新幹線駅もあり、生活するのに丁度いい具合の町という感じでしょうか。


福山の駅前でおいしいものはなぁんだ?
一人旅の場合もちろんリーズナブルで、ご当地グルメ、B級グルメに限ります。


オムかつセット がおいしいと聞きましたが、「女性にはちよっと量が多いかもしれませんねぇ。」と店員さん。
確かに。 オムライスと デミカツがハーフサイズならいいけれど、そうじゃないらしい。
ずっと電車に乗っているだけで、お腹も空いてないですからねぇ。

デミカツセットにしましょうか。
(先日名古屋で
食べた味噌カツがおいしかった~~。この時 味噌カツにすればよかったかも。)


サクサクとおいしかったです。量も丁度良かったし。
駅前に、こういうお店がいつもあればいいけれど、夕方となると居酒屋さんしかない事が多く、コンビニ弁当になってしまいます。
青春18切符陰陽連絡路線の旅は、三江線が目的で、ローカル色溢れる静かな雰囲気に感動して帰宅、その翌日に廃線が報じられるというインパクトの大きい旅となりました。
感動冷めやらぬままblog記事を書き続けましたが、今日からその前後のお話しをさせて頂きます。
午前中の仕事を終え、お昼過ぎに最寄駅からJRに乗り込む。ひたすら西へ西へ。 見慣れた景色のつもりだけど、やはり毎回発見があって、日のある時間の車窓は目を離せません。



暮れなずむ車窓は、日常を忘れさせてくれます。
福山駅で下車。
以前、福塩線で福山駅に到着した時は、時間がなくて、私にしては珍しく部分的に新幹線を利用したのでした。
下車したけれで乗換のためだけで駅の様子は全く記憶にありません。
「南口」


「北口」

出るとすぐ目の前に福山城の石垣が迫っています。
ん~。どうしても駅全景をとらえる事ができません。
翌朝。

新幹線駅らしい姿の後ろには福山城が見えています。


駅前に聳え立つ「五浦釣人像」
北口の石垣は立派。まさしく本当の駅前にお城があるのはここだけではないでしょうか。

北口南口は通り抜けができます。




ホームの目の前に福山城。


福山駅は、福山城の三の丸南側を東西に横断するように建てられ、現在のコンコースが二の丸正門である鉄御門及びその外枡形のあった場所であり、福塩線は二の丸櫛形櫓・鉄砲櫓跡に敷設されているのだそうです。
「目の前に福山城」でなく、城内に福山駅があるというのは、「駅」として注目すべき特色です。
「石見川本駅」
全線108.1キロの中間駅の中で、おそらくこの駅が一番大きな駅で、周辺施設も多い駅でしょう。
一日目、終着江津駅で折り返し、石見簗瀬駅を見に行って再び折り返し宿泊のため下車した駅はここでした。
2日目。
江津駅6時始発の列車は、石見川本駅 7時8分発となります。
始発時間に合わせてゆっくり、町と駅を見るために早くに宿を出ました。



かつて、大きな駅であった名残があちこちから感じられます。
手前、左半分 カーテンがしてある部分は、現在使用されていないようです。
石見川本駅界隈を散策していて出会った「妙船寺」
「船」の文字が入るお寺は、はじめてです。


天正6年(1578)に開基された日蓮宗のお寺です。
教場として妙船寺の庫裡が使われていたそうです。
江の川に橋が架かっていなかった時代には妙船寺前に江の川を渡る、渡船場があり対岸交通の大動脈として長年活躍してきました。当時の船にはバスも乗り対岸に渡されていた時代もあったそうです。
昔の町の様子を知る、お寺です。
石見川本駅近くで宿泊した翌朝。
前日頂いた「街中ぶらり90分案内」の地図を見ていると、江の川の堤防に出られることがわかりました。
まだ時間はあります。

駅近くの細い路地の向こうに堤防らしきが見えます。
一気に線路をくぐり、階段を登れば、そこが江の川。



列車ともに走ってきた江の川が目の前に流れています。
穏やかな日は、さらに先まで出て、釣りをされる方もおられるのでしょうか?
「おとぎ館」は 石見川本駅前のお店が集まっている場所から逆に大きな道路が走ってる方向へと歩きます。
一日目。
石見川本駅~おとぎ館



三江線延線にも徒歩範囲で宿はいくつかあるのですが、女性一人でも一番泊まりやすい宿は石見川本駅近くの「かわもと おとぎ館」でした。 名前からしてなんだか、うきうきしてしまいます。


石見川本駅から10分近く歩くでしょうか。
高台にあるので、迷うことなく到着できました。

えー 一人旅じゃないの?
いえ、一人ですよ。

いつも、ベッドの真横に小さなテレビがあるだけのようなビジネスホテルに泊まっているので、この広さは持て余してしまいました。
テレビが遠い。。見えない(笑)
窓を開ければ、バルコニーになって、「星空が見られる」との事でしたが、この日は生憎雨が降ってきました。


バルコニーは部屋ごとに壁でしきられ、その下に続くのが赤屋根。

夕食はと言えば、Aコープで買ってきた見切りの蕎麦寿司といか天。
いいんです。私の一人旅は、「鉄道」を楽しむものですから。。
夜はゆっくりと、テレビを見ます。



「かわもと おとぎ館」は川本町が所有する複合施設です。
建物を見ると 大きなホテルのように見えますが、宿泊施設は3階のみにあり9部屋のみです。
⇒ おとぎ館